・・・スリーデーマーチ・・・

3 December, 2000



「第23回日本スリーデーマーチ」の参加記念バッジ 念願のスリーデーマーチ参加

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毎年、11月3日から三日間、埼玉県は東松山市で開かれる「スリーデーマーチ」というのがある。10キロから50キロの4コースのどれかを選んで、三日間毎日歩く大会である。数年前からこれに参加したかったのだが、四、五日も家を空けられなかったり、他の用事があったりで、なかなか実現しなかった。家から遠いというのも、1歩踏み出せない要因だったかもしれない。

ところが今年は、運のいいことに我が夫が転勤になった。夫に言わせると、運の悪いことなんだろうが・・・(^^;) その任地が群馬県で、月に何度か帰ってくる時、東松山市を通ってくるというのだ。こんな好都合な時期を逃す手はないではないか。

新聞に広告が載るやいなや相談すると、夫の家から車で行ける距離だから行こうということになった。初めてのことなので、とりあえず最短距離の10キロコースに申し込みをして、実行委員会の斡旋してくれるホテルも予約した。本当は前夜祭から参加したかったが、夫の仕事の都合でそれは無理だった。

とんだプライベート前夜祭

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さて、前日、大きな荷物を持って夫の家へと向かう。駅で落ち合って、買い物をした後、夕食は夫ごひいきの店で、季節の「あんこう鍋」に舌鼓を打つ。お酒も入り、お腹いっぱいになって二人とも上機嫌で帰り、明日のためにと早めに休む。

ところが、いつもは寝つきのいい人間なのに、なんだか気分が悪くて眠れない。転々としているうちにも、だんだんひどくなってくる。とうとう真夜中の2時過ぎに、胃袋が反乱を起こした。

つわりのときも吐いたことがないのに、なんでこんなときにと情けなくなる。ものすごく気持ち悪くて不安だったので、夫を起こしてしまう。ひどい顔をしてトイレとベッドを往復する姿を見て、夫は「明日は無理に行かなくていいから、休んでいなさい」という。ここまで来て、なんと無念なことだと思いながらも、それ所ではなかったm(_ _;)m 
それにしても、あんなにおいしく食べて、大枚払ってきたのに、なにも吸収できなかったとはもったいない話だ・・・

一日目

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朝になり、はっと気づいて起きたら、八時過ぎ。夫は先に起きて一人で朝食を済ませ、のんびりとくつろいでいる。東松山市の臨時駐車場まで1時間、会場までのシャトルバスの最終が九時半。おお慌てで用意して出かけたのは、もう8時45分ごろだった。

幸い休日の朝で道路は空いていて、ビュンビュン飛ばす。途中で案内係とおぼしき制服姿の人に道を尋ねて、やっと駐車場についたら、最終バスがまさに走り出そうとしていた。待って待って、と手を振りながら駐車する。ここに来る人は大会参加者のみだから、バスは待っていてくれた。おかげで無事に、会場の小学校のグランドに到着。

会場入り口
いよいよ、「第23回日本スリーデーマーチ」の始まりだ。入り口のテントで参加グッズをもらう。ゼッケン、バッジ、タオル、地図、万歩計、ウォーキンググッズのパンフなどなど。そして横のテーブルの上には、全国各地のウォーキング大会のパンフレットが山のように置いてある。こんなに各地で歩く催しがあるとは知らなかったので、びっくりしながらいろいろもらってくる。

スタートは各自で、ゲートをくぐったところから始まる。思い思いの服装をした老若男女が続々と歩いていく。夕べからの雨が朝になって止んだので、道はちょっと悪いが、歩いてちょうどいい気温。天気予報が外れてラッキーな日になった。

わたしたちは、10時ごろ出発する。道の角ごとに標識が立てられ、要所要所には案内係が待機しているので、迷う心配はまったくない。10キロコースは市街地からあまり離れないので、舗装道路を歩くことが多いが、それでも途中で武蔵野丘陵森林公園にはいる。ここが10キロコースのチェックポイント。

このイベントは競争ではない。タイムを競うものでもないので、ゆっくり自分のペースで歩けばいいし、途中で寄り道もOK。周りの人と話をしたり、知り合いになったり・・・ そんな和気藹々の雰囲気がとてもいい。森林公園の中を見物して、ちょうど開催されていた。菊の展示を鑑賞していく。

ぜんざいのサービス
道すがら、屋台が出ていたり、大会本部のサービスがあったりする。今日のサービスは、おぜんざい!少し肌寒いので、歩いて冷えてきた体にはうれしかった。

夫は普段、車で行動しているので、歩くことがほとんどない。今回歩いてみて、足腰の衰え、体力の減退を痛切に感じることになった。歩き始めてまもなく、足が痛い、膝がおかしい、などと訴え、周りの人と歩調が合わない。途中で休み休みの行軍となった。
道々出ている屋台に来ると、口実にして休んでいく。焼き鳥屋さんがあったので、買ってみると、「焼き鳥」ではなくて、「焼き豚!」だった。

リュックのバッジ
わたしたちをどんどん追い越していく人たちは、若い人もいるが、かなりの年配の人たちも多い。しっかり装備して、年とは思えぬ軽い足取りで歩いておられる。そして、帽子やリュックには、参加した大会のバッジがたくさんついているし、ゼッケンには参加回数やメッセージが書かれている。

「1回目、完歩するぞ!」
「8回目、10回目までがんばろう!」
「声をかけてください。」
「21回目、お先にどうぞ!」などなど。

今年は23回目の大会だから、ほとんど毎回参加されている方はかなりのお年だった。黙々と歩く人、楽しそうにおしゃべりしながら歩く人、外国人の参加者は陽気だ。視線が合うとにっこり会釈してくれる。今年は「日蘭交流400年記念大会」ということで、オランダからの参加者が目立つ。

ゆっくり廻って3時ごろゴール。テントの一つで旅行会社のチラシを配っていたドイツ人とちょっと話しができた。どっちも片言の英語と、こちらの怪しげなドイツ語でも少しはコミュニケーションができたかな・・・ 会場の舞台で地元の小学生が和太鼓を演奏していた。いろんな店が出てるので見て廻るのも楽しいが、まだまだ先があるので、今日は早々に宿泊先のホテルに行く。お風呂に入るとほっこり疲れがでて早めの就寝となる。

ニ日目

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二日目。6時半起床。絶好のいいお天気だ。大会用朝食サンドイッチ弁当と昼用のお握り弁当を受けとって出発。ホテルから会場までシャトルバスが出る。バスに乗ってみると、思った以上の大勢の参加者が泊まっていた。直接会場まで運んでくれるので非常に便利だ。

今日は早めに会場に着いたので、テントを見て廻る。昨日足に豆ができたので、少し不安があった。すると、ちょうど豆予防のムースを販売しているテントがあって、ためしに塗って行っていいというので両足に塗らせてもらう。

梅干とお茶
8時45分ごろ出発。10時にチェックポイントの公園に到着。サービスのお茶や梅干をいただいて休んでいると、朝日新聞者の記者にインタビューされた。病気で死の瀬戸際から生還した人ががんばって歩いている、という話を聞いて来たという。こちらは鎌倉から参加したということぐらいしか、話すことがないので、記事にはならなかったみたい(^^;) 

おなじ10キロコースと行っても、毎日歩く道が違うので飽きることはない。今日は、わりと市街地が多かった。早く出発したので、12時過ぎにはゴールしてしまう。昨日あまり見れなかったテントをゆっくり見物して廻る。

いろんな企業の宣伝用テントや、郵便局、救急テント、食べ物屋さん、ウォーキングイベントの紹介テント、オランダのテントなどなど。順番に冷やかし半分に見て廻る。「焼き鳥」の看板やのれんが目立つが、どうも「焼き鳥」ではなさそう。豚肉を角切りにしたのが串に刺さっている。味見をし様と並びながら、後の女性の聞いてみると、これは東松山の名物なんだそうだ。これを食べるために、わざわざこの町にやってくる人も多いという。「焼き鳥屋」さんでは、必ずこの「焼き豚」を売っているそうだ。ちなみにこれを、「かしら」と呼んでいた。

お店のテントでは、いろんな商品が、普段の値段より安く売られていた。ウォーキンググッズを持ってこなくても、すべてここで調達できる。ウェア、シューズ、リュック、お弁当、なんでもある。そのうちに、人が集まってきたと思うと、地元のサークルの人たちが歌や踊りを披露。つづいて、ウォーキングウェアのファッションショーが始まり、イメージキャラクタのチェリッシュも登場して二人の軽妙なお喋りと歌を楽しむ。

早めのシャトルバスでホテルに戻り、入浴後、待ちへ出てみる。ちょっと珍しいお店を見つけて夕食。大正時代のインテリアとはかま姿のウェイトレスのいる、パスタのお店だった。9時過ぎにホテルに戻り、快い疲れに二人ともすぐに眠ってしまう。

三日目

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最終日。6時半起床。身支度してチェックアウト。今日は帰るので、一旦駐車場までいってバスに乗る。会場に着くとびっくり。なんと広いグランドが、人、人、人で埋まっている。昨日、おとといも2万人から3万人ぐらいの人が歩いたというが、今日は最終日とあって集中したらしい。出発ゲートが大混雑で動けない。歩き出しても、あちこちで規制していて待たされた。待っている間は隣にいる人とおしゃべりしたりして楽しかったが・・・

天気予報が外れ快晴のお天気で、歩いていると暑いくらい。道端でアイスクリームを売っている人は大もうけだったろう。紅葉の林を抜けると、刈り取った株から芽吹いた緑で、まるで田植え後のように見える田んぼを通り、田園風景を満喫。

楽しいご夫婦や、愛犬と一緒に歩く人たちの写真を撮らせてもらったりしながら歩く。また、狭いあぜ道を歩きながら、ちょうど横に来た外国の方に挨拶をすると、さっとバッグから小さなプレゼントを出して手渡された。あけてみると、かわいい紙細工の入った額の後ろに住所氏名と、英語で手紙を出してほしいと書いてある。とても心温まる経験をした。次回はこちらもなにか用意していかなくちゃ・・・

街中に戻ってくると、あちこちからおめでとうコール、がんばれエールが聞こえて、ちょっと気恥ずかしい。街角でコーヒーをふるまってもらったり、旗をもらったり。2時半、無事三日間の行程を完歩する。会場に戻ると、それぞれの回数にしたがって勲章をもらえるのだ。初めての参加で立派な勲章をもらったら、また参加したくなるではないか(^^;)そして最後の式典があった。
ちなみに、今回の参加者は三日間で延べ83,939人だったそうだ。
日蘭交流400年を記念してオランダの人たちのスピーチがあり、伊能ウォークの報告があり、盛りだくさん。俳優の加藤 剛さんも登場して女性たちの歓声を浴びていた。かくいうわたしもファンの一人、最前列にいたので、写真を撮ったり、握手をしてもらったり・・・!しっかりミーハーしてしまった。

最後まで見ていると遅くなるので、そろそろ帰ろうとしたら、例のドイツ人に会った。名刺をもらってメールを書く約束をして別れる。

まだまだ興奮の漂う会場を後にして、帰途につく。三日間歩きとおした満足感と同時に、けだるい疲労感、待ち焦がれたものが終わってしまった虚脱感、もろもろがない交ぜになって、1時間ぐらいの道中、二人とも口数少ない。

初回の勲章
でも、思いきって参加してよかった。できたらこれから毎年参加したいイベントだ。自分の体力を知るバロメーターになる。なにより、元気で歩いている人たちと一緒にいると、元気をもらえるような気がする。そして、もっと余裕を持って歩いたら、更なる出会いもあるだろう。

帰ったら早速、袖すりあったドイツ人とオランダ人にメールや手紙を書いてみよう!

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か





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