・・・センチメンタル友達讃歌・・・


31 October, 2000



herz   2000年はミレニアム最後のクラス会開催年   herz


このクラス会に向けて、遠方に住んでいるものも万障繰り合わせてなつかしい街に出かけていく。
50人のクラスメートのうち、消息不明は3名。
地元を遠く離れているものは8人。
当日都合で出席できなかった人が3名いたので、今回の出席者は、先生を含めて、19名。
遠方(千葉と神奈川)から出席したのは、3名。

かく言うわたしは、神奈川から出席した一人。

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両親が2年前に転居してからは、実家が無くなり、それ以来、クラスメートの家にホームステイしながらの出席となる。
夫妻二人ともクラスメートなので、3人でクラス会をやってる状態になり、本番前から多いに盛り上がってしまう。

小さいころにしょっちゅう引っ越しをしたので、小学校は3回変わった。
6年生の春に引っ越した土地で高校を卒業したのだが、小学校、中学校のお付き合いがほとんどない。
中学校は小学校の持ちあがりのような物だから、1年しかいないものはなかなか根っこの部分でなじめなかった。
高校に入ってはじめて、本当に友人らしい友人というものに巡り合う。
大学は、ちょうど紛争の時代に在学していたので、25人という小人数の学科だったのに、みんなの心がバラバラになってしまった。
そんなことで、高校時代の友人が一番近しい存在である。

しかも、3年生のクラスがとてもまとまりのいいクラスだった。
受験生にもかかわらず、みんなでハイキングに行ったり、キャンプに行ったり、文化祭や体育祭、球技大会といっては男女一緒に多いに盛り上がったものだ。

そして、クラス会を定期的にする一方、あちこちで気の合うグループが時々会っては、卒業後もますます親交を深めて来た。


ウン十年経っても、会うと一瞬にして高校時代にタイムスリップする。
意識しないで自然にそうなってしまう。
考え方も似たり寄ったりで話があうんの呼吸で通じる。たとえ、違うことを言う人がいても、お互いに忌憚なく批評したり議論したり・・・
男女を意識することなく、しかもお互いを思いやり、助け合ったり、慰めあったり、一緒に遊んだり、高校生モードでちょっと無軌道をやってみたり・・・
どんな状況にあっても仲間が集まると、何かほっとする。
安心して自分をさらけ出せる場を持てる幸せを痛感する。


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さて、クラス会は土曜日にあるというのに、友人宅に行ったのは木曜日の夜。
午前中にサークル活動をした後、急いで支度して飛び出して来た。
会うや否や、ふたりとも瞬時に高校生気分に戻り、いきなり言葉の洪水があふれる。手は動いてない時があっても、口は必ず動いている。食べながらもしゃべっている。

翌日は、いつもの仲間の中で時間の取れる人と京都で会って、喫茶室で延々3時間近くもわいわい。クラス会では個人的にゆっくり話せないから、という理由で・・・・(^-^;)

夕方帰って食事の用意をしながら、食事中、旦那様が帰ってくると今度は3人で。よくぞこれだけ話すことがあるというほどおしゃべりに花が咲く。いつもは早寝早起きの健康指向の彼女もシッカリ夜更かし。

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さて、クラス会本番当日。
幹事の二人を手伝うため、早めに会場へ。
会場はむかしなつかしい同窓会館。
校舎は最近、全面的に改築されて、昔の面影は微塵もない。

どっしりした石造りのような古い校舎。階段から廊下から木造なのに土足で上がってよかった。これがなぜか大人になった気分がして何とも嬉しかった。
廊下に染み込んだ油や、そのほかもろもろの入り交じった独特の匂い。
鉄枠の窓から見下ろす緑滴る中庭には、古墳時代の石棺が置いてあった。

大昔に、生徒と教師が一緒に掘ったという曰く付きの大きなプール。
排水設備がなくて、水着の中に緑の藻がたまったり、ゲンゴロウやミズスマシと一緒に泳いだ。水をかい出したら、亀がいたということもあったっけ!
気候のいい時には、プールサイドでお弁当を食べたこともある。
試しに登って降りられなくなって震えた、10メートルの飛び込み台。

川端康成の在学当時は、本校舎だったという図書館。
大屋根の上の鉄製の飾り、高い天井と細長い窓、ミシミシと鳴る階段。
ストーブの燃える匂いと窓から見える枯れ木の印象がなつかしい。
家庭科室で実習した後、柔道の授業を終えた男子がお腹を空かせて、おこぼれをもらいに来たっけ。


その全てが夢の中だと思うと、切ない気分になる。

今の校舎は、デザインはすばらしくモダンで、設備も万全かもしれないが、なんとなく無機質で冷たい。昔の校舎で卒業したものにとっては、異質の物体である。
まるで、重厚なルーブル宮殿とガラスのピラミッドのようなものだ。
宮殿はあるけれど、私たちの校舎はもうない!

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クラス会を2年に一度にする、ということは決めたのは、ずっとまえ。
その頃は、育児に忙しかったり、ばりばり仕事をしていたりで個人的には充実していても、毎年会ってもあまり変わり映えがしないという意味でもあったと思う。
そして今、今回、2年ぶりで集まった面々がこの2年にあった事、近況などを話し出すと、びっくりすることが多い。
健康面、仕事の面、家庭環境、それぞれが激動の時代になっていた。

担任の先生の話には、一番驚かされた。

前回のクラス会の後、健康診断で引っかかり、精密検査を受けると、大腸がんで既に手後れだという診断を下されショック。
手後れだから、今更急いで手術することもないなどと、ちょっと無神経なことを言われ憤慨。
しかし、教え子の勤める病院でベッドを確保してもらい、それを主治医に話すと他の医師を紹介してくれたそうだ。
決死の覚悟で手術を受けたら、幸いなことにそれほどひどくなくて、一安心。最近は、大きな手術をしても1,2週間で退院できるのに、腸の癒着がひどくて、結局3ヶ月も病院にいてひたすらリハビリに励む。
膝の故障もあり、それを軽くするには、膝に体重を加えずに運動で筋肉を鍛えないといけないそうだ。そんな事が出来るのは水泳以外にはないので、元来、金槌の先生がスイミングスクールに入る。今では週に2回、クロールで300メートル泳ぐのが楽しみというまでに上達!

ハッピーエンドでよかった、よかった!

一つ間違えば、先生に会えなかったかもしれないという、この話にみんなが驚愕していると、他にもこの2年の間に、癌の手術をした人がいた。
順番に話を聞いていくと、前の会社をやめて仕事を変えた人、自営業を閉じて新たな仕事に転じた人、仕事を縮小した人。
体重をぐんと減らした人、まるで妊娠12ヶ月のような男性!
家族が増えた人、減った人、これから増える人。
本当にさまざまな変化があって、驚く。
このわたしは、両親が長年住みなれた家を引き払って、近所に越して来たこと、主人の転勤、子供の転職、自分の活動の変化など数えてみれば幾つかある。

これからは2年に一度と言わず、1年に一回ぐらいは会っておいた方がいいかな、という気がして来た。

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午後1時から始まった本番は、5時半ごろお開きに。
先生と遠方へ帰る人、用事のある人はここでお別れしたが、まだまだ物足りない人がほとんどで、近くのカラオケへ移動して二次会
ここでも、歌う人、話する人、情報交換する人、などなどでおおいに盛り上がる。

3時間あまりも続いた二次会もとうとうお開きになり、それぞれ散っていく中、いつもの仲間はまだ物足りない わたしも遠方から参加のことゆえ、そう頻繁には会えないので、もうちょっとしゃべりたいということで、ホームステイ先へ移動する。

ここでちょっと寄り道

近所に住む一人は飲んでしまって帰れないので、夫人が車でお迎えにくる。こちらも懇意な間柄なので、あがってもらって一緒におしゃべり。
お茶を飲みながら、話しの続きで盛り上がる。これで三次会

そして、ここで嬉しいご招待があった!
お好み焼き自慢の友人が自宅に招いてくれたのだ。しかも翌日。
神奈川組一名は、翌日早く帰宅する予定だったが、急きょ予定変更して参加することに。

ここでお別れとなると名残惜しいのだが、四次会が決まったので、みんなすんなりと帰っていく(^-^;)

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さてまた翌日。
10時過ぎに家を出て、市立図書館へ行く。本の返却につきあうが、行ってみてびっくり。昔とは全然違う場所に、立派な建物の図書館が出来ている。蔵書はもとより、いろんな設備がついていて明るく、広く、すばらしい。

わたしの知っている図書館は、場所こそ中心部にあったが、まるで昔の町内会の集会所といった感じの小さな建物で、中は学校の図書館より狭いくらいで、子供会館に毛が生えた程度だった。

駅前、学校の近辺、郊外、それぞれ街並みも変わり、まるで、見知らぬ街になってしまって寂しいが、図書館が立派なのは別だ。
と思うのは身勝手かもしれないが・・・

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途中で、仲間を拾ってから、30分あまりのドライブ後、友人宅に到着。
この友人のご主人になる人も、もうすっかりなじんでまるでクラスメートのような付き合い。夕べ夫人の運転で帰った友もまた夫人同伴で、すぐ後に到着した。仲間がどんどん増えている感じだ。
総勢8人で、わいわいと準備してお好み焼きパーティの始まり。
お店で食べるのよりおいしいお好み焼きを始め、サラダ、キムチ鍋などなどをテーブルいっぱいに並べて、食べたり飲んだり、しゃべったりと忙しいこと!
すでに次の集まりについての、楽しい計画も飛び出してきて、最高潮。
いままで、クラス会を何回もして来たが、四次会まではなかったなぁ!

楽しい計画は秘密だが、本当にこの関係を生涯続けていきたい!
こんな素晴らしい付き合いって、その辺のトレンディドラマより素敵じゃない!

しあわせな気分を胸に、夕闇迫る道を走って横浜に帰る友人を駅まで送り、帰宅(もちろん、ホームステイ先)

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よく月曜日。ホスト氏は出勤。
いよいよ帰宅する日になってしまった。
今は、夫婦二人で暮らしている友人は、また寂しくなるという。
わたしはまだ家に帰ると子供がいるが、そのうち同じ境遇になるのだ、と思いながら、名残を惜しんで帰途に就く。
本当にいつもいつも、暖かい歓迎、ありがとう!

これですんなり帰ると思ったら、大間違いで・・・

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京都で途中下車して、超モダンな駅の中にあるデパートで待ち合わせ。
会うのは、大学時代の親友。
これが、なんと二十数年振りの再会なのだ。

しかも、ちょっと前に大阪へ帰るので、会いたいというメールを出しておいたのだが、返事がなかった。
そのうちに出発してしまったから、今回はあきらめていた。

最近、以前使っていた携帯電話が壊れて機種変更をした。その際、思いきって、i−モード付きのにした。そしてほんのついこの間、リモートメールの設定をして、自宅に届いたメールも電話で読めるようになっていた。今回の旅では、それを実際に活用できるということも楽しみにしていた。
そして最初の夜、リモートメールを見てびっくり。彼女からの返事が来ていたのだ。しかも会えるという・・・\(^0^)/

さっそく電話で段取りを決めて、この二十数年振りの再会となった。
もし、前の携帯電話が壊れなかったら、i−モードにしていなかったら、リモートメールの設定がしてなかったら、メールを見れずに会えなかったのだ、と思うと、本当に不思議な巡り合わせだ!


さて、二十数年振りというので、お互い多少の変化はあろうし(^−^;)
隣に立ってながらわからない、なんてことにならないかと少々不安だった。
しかし、それはまったくの杞憂だった。
一目で分かり、そして次の瞬間、例のタイムスリップである。
お昼を食べながら、本当に積もりに積もった話をはじめる。

大学は、前にも書いたように、ちょうど学園紛争まっただなかの時代だった。みんなの気持ちがまとまりかけた頃に封鎖が始まり、その後はみんなバラバラになってしまった。
それでも4人ぐらいは気が合って、仲良くしていた。
しかし、そのうちの一人が一昨年、この若さで亡くなってしまった。
こどもがまだ小さかったので、全員子供の手が離れたら、ゆっくりお付き合いが出来ると楽しみにしていた矢先だから、すごいショックだった。


話している内容は、ちょっと哀しく寂しいのだが、向かいに座る友の表情、話し方、しぐさ、みんな昔とおんなじだ。
お互い髪に白いものが見え隠れするようになったが、それ以外はよく変わらないものだと思うくらいにおんなじで、嬉しい限り。
これからは、しょっちゅう会おうね、今度はあの人も一緒にね、と約束して別れる。

新幹線の改札口でずっと見えなくなるまで手を振ってくれて、ありがとう!

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自宅に帰ると一番に、PCの電源を入れ、メールを送れる相手に全員お礼のメールを入れる。
たまっていたメールの返事を書いて、ほっとすると、なんだか急に寂しくなって来た。
あの楽しい5日間を、何としても書き留めておきたい。
後で読み返して反芻したい・・・・・・

連日のイベントのほかにも、ホスト夫妻の歓待、一緒にパソコンの勉強したり、プロバイダの変更とか、いろいろあった5日間、思い出がぎゅうぎゅう詰まっています!

というわけで、今回のかわら版は超個人的内容となりました。

herz herz herz   だけど昔の友人は、本当に最高の財産です!   herz herz herz


herz  
もちろん、今の友人もこれからお付き合いを続けていく中で
だんだん同じになっていくんでしょうね(^^;)
  herz




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